問題集・参考書をレベル別に順番に進める際の注意点【大学入試の英語の例】

近年、
「独学で勉強を進めていく際は、参考書をレベル別に順番に進めると、実は効率よく学習を進めることができますよ。」
という、いわゆる参考書・問題集の「ルート」「フロー」「フローチャート」といわれるものが定番になっています。

塾・予備校に通っている場合でも、市販の参考書をうまく併用したり、あるいは、市販の参考書をメインのテキストとして利用したりします。

段階的に高い目標に

「段階を踏めば、どんなに高い目標も到達できる!」

参考書・問題集が多く出されている分野・科目の試験勉強であれば、どれであっても、下のレベルから順番に参考書を進めてマスターしていくことで、目標とするレベルに到達することができます。

特に英語は数が多い

特に、「英語」特に、「高校生・大学受験の英語」と「英語の資格試験・TOEIC」については、勉強する人の数も多く、レベルも幅広く、学習すべき事柄・分野も多岐に渡るため、膨大な量の参考書・問題集がどんどん出版されています。
(ちなみに中学生向けの参考書は、レベル別にもなっていますが、同じ本の中で幅広いレベルを扱っているものが多くなっています。この場合は、現在のレベルに合ったものをセレクトしてすすめることが重要です。)

情報も多い

しかも、それらの参考書についての情報も、豊富に様々な形で見ることができるため、それらの情報を参照しつつ、中身も可能な範囲で確認して、順番に進めることで、着実にレベルアップができます。

実はレベル分けも細かい

出版されている参考書・問題集の数が豊富だと、レベル分けも実は細かく、選び方によっては、よりスムーズに学習を進めることも可能です。

同じ「入試基礎」「入門」のレベルであっても、編集する上での方針・著者の方針・項目の選定などで、取り扱うレベルが微妙にちがってきます。むしろ、豊富に情報が出されているため、あえて、微妙にずらして出版することで、住み分けをしたり、穴となっているニーズを埋めるような出され方もしていたりします。

したがって、上手く進めると、ゆるやかな上り坂を、きれいに登っていくことも可能です。

何をやり・何をやらないか

出されている参考書の数は膨大なので、よさそうなものでも、全てやっていては間に合いません。かといって、十分に身についていないのに、レベルの高い参考書を進めても、効率が悪くなってしまいます。

ちょうどいい

ちょうどいい内容の参考書を、ちょうどいい量ですすめることがポイントになります。

しかし、この「ちょうどいい」というのが極端に言うと、1000人いれば1000通り、一人ひとり違います。

もちろん、ある程度一般化されたものが「ルート」「フロー」「フローチャート」と言われるものになりますが、それらに基づいて進める場合でも、定着状況・学習方法などによって、使うもの・ペースなどを柔軟に臨機応変に変えていくことが必要です。

この、「使うもの」「ペース」などを柔軟に臨機応変に変えるのがなかなか難しかったりします。

なぜか?

理由はシンプルです。同じことを学んでも、人によって、マスターできるスピードが異なるためです。ここはどうしても個人差が出てしまうため、やむをえません。そのため、はやく学力を伸ばしたいという場合は、とにかく量をこなす必要が出てきますが、同じ量をこなしても、それでも、人によって差は出てしまいます。なお、この習得するスピードは、当然、一定ではありません。ある地点ではものすごく時間がかかる一方で、そこを抜けると一気に学びがグーンと加速したり、あるいは、あるところまでは順調にサクサク進んでいたのに、ある地点で伸び悩み、そこを抜けるとペースがはやくなったり・・・ということが起こります。

現在のレベルで

以上を踏まえて大切なのは、

「現在の」レベルに合った参考書を選ぶこと

内容の定着度を見極めて次に移ること

です。

英語の学習順

一定以上レベルの英語の学習順は、
英単語・語彙→英文法→英文解釈→長文
の順番で進めるのがセオリーです。
ただし、そもそもの基礎の基礎の学習量が足りない場合、とにかく簡単な内容で触れる英語量を増やして慣れるという段階も必要です。

段階別の参考書例

そもそもの話ちょっと長くなりましたが、これらを踏まえて、大学入試向けの英語の参考書を段階別に並べてみます。
*あくまで一例です。
*学習段階・学習履歴により、まだ早いもの、早めに取り組むものもあります。
*これ以外にも当然、同種のものが多数あります。
*重複があります。
*全部進めるということではありません。
*定着度などにより、これ以外にも進める必要は当然あります。

中学復習

中学英語をひとつひとつわかりやすく(学研)
英文法パターンドリル中学全範囲(文英堂)
高校入試ランク順中学英単語2000(学研)

高校入門レベル

高校基礎英文法パターンドリル(文英堂)
ゼロから英文法が面白いほどわかる本(肘井学・角川)
はじめの英単熟語ドリル(旺文社)
はじめの英文法ドリル(旺文社)
英文法演習ドリル(旺文社)
英文法入門10題ドリル(駿台)
読解のための英文法(肘井学・角川)
STOCK3000(関正生・文英堂)
英語長文レベル別問題集2・3(安河内哲也・大岩秀樹・東進)
など

入試基礎レベル

STOCK3000
システム英単語Basic(駿台)
ゼロから英文法が面白いほどわかる本
英文法演習ドリル
英文法ソリューション1(肘井学・かんき出版)
読解のための英文法(肘井学・角川)
入門英文問題精講(竹岡広信・旺文社)
英語長文レベル別問題集3
The Rules英語長文1(関正生・旺文社)
など

入試標準レベル

システム英単語(駿台)
速読英単語 必修編(Z会)
英熟語Always1001(河合出版)
英文法ソリューション1(肘井学・かんき出版)
英文法ポラリス1(関正生・角川)
総合英語エバーグリーン
スカイワード総合英語
英文読解入門基本はここだ!(西きょうじ・代々木ライブラリー)
入門英文問題精講(竹岡広信・旺文社)
英文熟考(竹岡広信・旺文社)
英文解釈ポラリス1(関正生・角川)
英語長文ソリューション1
The Rules英語長文2(関正生・角川)
やっておきたい英語長文300(河合出版)
英語長文レベル別問題集4(東進)
など

難関大レベル

システム英単語
速読英単語 必修編
英熟語Always1001(河合出版)
英文法ソリューション2
英文法ポラリス2
総合英語エバーグリーン
スカイワード総合英語
英文熟考
英文解釈ポラリス1
英語長文ソリューション2
The Rules英語長文3
など

そしてさらに最難関大学を目指す場合には、これらの一段上のものに取り組んだり、分野別の対策・過去問演習などを必要に応じて行っていきます。

あるいは、各段階で定着がいまいちな場合には、もう一度同じ参考書・問題集を進めていったり、同じレベルの別のもの、または状況によっては少しレベルを下げて進めるなどで、補っていきます。

なお、すでに、上記以外の参考書・問題集(英単語ターゲット/英文法・語法ヴィンテージなど)を持っていたり、すでに進めていたりする場合も当然あるかと思います。その場合も、状況に応じた使い方をしていけば大丈夫です。

少し要注意な教材

なお、人気・定番の参考書・問題集の中では、使い方に要注意なものがいくつかあります。

いずれも大変優れたものですので、しっかり使いこなせれば大幅な実力アップが見込めますが、使いこなせないと、学習の効率が下がってしまう場合があるので、要注意です。

例えば、以下のようなものがあります。

単語集全般

英単語集は、全般的に、取り扱いが少し難しい教材です。

英語といえば単語、英単語。さあ、英単語集で英単語をどんどん覚えるぞ!・・・というのは非常に重要なのですが、状況によっては、上手く使いこなせない場合もあります。

そもそも、基礎の基礎・中学レベルがグラグラで、英語に触れてきた量が極端に少ない場合、非常に覚えにくかったりします。その場合は、まずは、中学レベルの文法を固めることを優先しましょう。

そもそものモチベーションも、単語集で単語を覚える場合には重要です。ある意味でちょっと不自然な方法で、知識をぎゅっと詰めて知識量を上げていくので、自分自身に一定のモチベーションが無いと、なかなか覚えられません。

逆に言えば、中学レベルの知識がそれなりにあり、それなりのモチベーションがあれば、単語集を使った学習は、非常に効果的なものになります。

システム英単語・ターゲット・速読英単語・ユメタン・キクタン・STOCK・英検パス単・・・など、いずれも優れた単語集です。現在の状況に合わせて、しっかりと使いこなしていきましょう。

速読英単語

単語集の中でも、速読英単語は、質の高い教材ではありますが、ちょっと使いこなすのが難しい単語集でもあります。

長文の中に出てくる単語を覚えていくということになりますが、掲載されている長文が、覚える単語のレベルに対して、ちょっと難しい・・・というのがあります。ただ、題材自体は面白いので、サッと見ながら、一覧になっている部分をメインに使って覚えていく感じが良いでしょう。なお、文章の内容自体は、大学入試で出されるテーマに沿ったものなので、掲載されている単語をある程度覚えて学習が進んだ後に読んでみると、非常に勉強になります。

英文法を網羅した問題集

ネクステージ・ヴィンテージ・スクランブルなどの、大学入試の英文法の問題を網羅した問題集も、取り扱いが注意な問題集です。

自分でこれから何かを選んで文法・語法の問題を勉強していくぞという場合は、レベル別問題集(東進)、英文法ソリューション(かんき出版)、英文法ポラリス(KADOKAWA)などの、レベル別のものを使うことをお勧めします。それでも難しい場合は、ドリル形式の文法問題集から進める方が良い場合もあります。

学校・塾などで購入した、すでに自分で購入しているという場合は、まずは出題頻度の高いものに絞って解いていく、繰り返し解く、総合的に英文法を解説したものを併用するなどの工夫が必要です。あるいは、単元によっては、レベル別になっている問題集の中で易しいものと併用して使っていくというのも手です。

ひとつひとつわかりやすく

英語に限らず、高校レベル以上の「ひとつひとつわかりやすく」シリーズは「わかりやすく見やすい」のは確かですが、「やさしい」とは限りません。いきなり難し問題がボンと出てくる・・・ということもあります。そのあたりを注意して使いましょう。なお、サイズ感が似ている類似のドリル形式のものと比べて収録問題数が少ないので、それらのドリル形式のものと合わせて使っていくと、しっかり知識が定着します。

ポラリス

「ポラリス」シリーズは、いずれも、目安となっているレベルと比較して、ほんのわずか、若干難しくなっています。難しく感じる場合は、ひとつ前のレベルのものから取り組む、その他の問題集などの後で取り組むと、効率よく学習が進みます。

いろいろ調整

参考書のレベルを上げて、難しいと感じた場合、ちょっと進めにくい場合は、前のレベルに戻ってもう一度同じもの、または同レベルの別のものをやってみましょう。

志望校のレベルに間に合わせようとして、強引にレベルを上げてしまうと、全部の内容がグラグラになってしまうこともあります。ちょうどいいレベルのもので固めつつ、過去問を並行して学習していくほうが確実です。とにかく定着度・理解度を高めるのが理想ですが、ここの加減がなかなか、難しいときは本当に難しかったりします。

まとめ

いずれにしても、現在のレベル・学習法に合わせた教材を選び、進めていくことが大切です。

いろいろな可能性を検討しつつ、早め早めの準備で学習を進めていきましょう。

何をどのように進めていくべきか、気になる方は、当教室にご相談ください。

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