今回は、国語・現代文の読解の基礎固めに使える参考書・問題集を色々と見ていきます。
タイトルで【中学受験・高校受験・大学受験でOK】となっていますが、「現代の日本語で書かれた文章を読み、問題を解く」という点で、共通する部分が多くありますので、実は、どれにでも当てはまるという部分が結構あります。
では、見ていきます。
今回は、2015年以降に出版された比較的新しいものを中心に見ていきます。特に、ここ最近、読みやすく使いやすいものが多く出されています。
ここに並べた順番は、中学受験→高校受験→大学受験の順番になっており、一応、易しいものから難しいものの順になっています。(すべて「入門」「基礎」に当たるものなので、難易度に差がないものもありますが、あくまでも、中身を見た上での大まかな目安です。)
中学受験 合格する国語の授業
タイトル:
中学受験 「だから、そうなのか!」とガツンとわかる合格する国語の授業
(「説明文・論説文入門編」と「物語文入門編」の2冊が出ています)
著者:松本亘正
出版社:実務教育出版
初版発行:2021年7月
中学受験向けの参考書です。小学校高学年から読めるように、様々な工夫がなされています。受験生本人が自力で読み通すのが難しい場合にも、保護者の方が読んでも参考になり、読み応えのあるものです。対比・論理展開・言い換えなどを、わかりやすく掘り下げて説明をしています。
中学基礎がため
タイトル:
中学基礎がため100% できた!中1国語 読解
(「中2国語 読解」 「中3国語 読解」も同シリーズにあります)
出版社:くもん出版
初版発行:2021年2月
こちらは中学生向けの問題集です。自学自習がしやすいように、取り組みやすい問題が、やさしいものから並んでいます。学習項目も「指示語」「接続語」の順番で、優先しておさえるべき項目から並んでおり、前半部分をしっかりおさえるだけでも、得点アップが見込めます。
中学国語 読解トレーニング
タイトル:
中学国語 読解トレーニング 基礎編
(続編で「発展編」があります)
出版社:数研出版
初版発行:2015年11月
短く・取り組みやすい文章で、問題演習ができます。高校受験の勉強をしていくにあたって、国語の点数が安定しないと感じる場合に、進めていくとちょうどよい内容になっています。
高校の現代文が1冊でしっかりわかる本
タイトル:
高校の現代文が1冊でしっかりわかる本
著者:安達雄大
出版社:かんき出版
初版発行:2022年4月
ここからは高校生・大学受験生向けの本です。
「しっかりわかる本」シリーズの「高校現代文」です。
言い換え・対比・指示語などを、大学入試で出題されやすい著者の文章を使って練習をしていきます。国語・現代文が苦手な人でも取り組みやすい内容です。実際に短い練習問題に取り組みながら進めるので、集中して少しずつ取り組めるようになっています。
はじめての入試現代文
タイトル:
はじめての入試現代文 正解へのアプローチ
(河合塾シリーズ)
著者:木村哲也
出版社:河合出版
初版発行:2018年
入試現代文の解き方が、コンパクトにまとめられた参考書です。「選択問題の選択肢自体が難しい」「選択問題で選択肢が上手く絞り込めない・どう絞り込んだらいいのかわからない」という場合などに有効です。繰り返し見返していくことでさらに効果が出てきます。
新・レベル別問題集
タイトル:
新・現代文レベル別問題集1 超基礎編
(続編で「2初級編」が出ています。レベル3以降も順次刊行予定です)
著者:輿水淳一・西原剛
出版社:東進ブックス
初版発行:2021年12月
実際の大学入試問題を、大問丸ごと収録しています。解説ページでは、問題文を読み進めるにあたり、何を考えて読み進めるのか「全文解釈」「脳内活動」という形で、カラーで解説しています。
その他の書籍
以上、2015年以降の国語・現代文の読解に関する参考書・問題集のうち、基本レベルのものについてみていきました。
ここでは、大学入試レベルで、それ以前に改訂前の初版が出された参考書で、基本レベルの内容でロングセラーとなっているもの、または、ややハイレベルなものを中心に、参考として、列記しておきます。
改訂版・田村のやさしく語る現代文(田村秀行・著/代々木ライブラリー)
船口のゼロから読み解く最強の現代文 (大学受験Nシリーズ)(船口明・著/学研)
ゼロから覚醒 はじめよう現代文(柳生好之・著/KADOKAWA)
入試現代文へのアクセス 基本編 (河合塾シリーズ)(河合出版)
出口のシステム現代文 ベーシック編(改訂新版)(出口汪・著/水王社)
出口式現代文新レベル別問題集【0 スタートアップ編】(出口汪・著/水王社)
大学入試 全レベル問題集 現代文 1 基礎レベル 新装版(梅澤眞由起・著/旺文社)
共通する学習法
以上、国語・現代文の読解の基礎固めに使える参考書・問題集を色々と見ていきました。
最後に、どの参考書・どの授業でも言われることの多い内容・共通部分を簡単にまとめておきます。
テーマ・主張
説明文・論説文の読み取りで重要なのは、テーマと主張です。述べたいことが大きく一つあり、それを、繰り返し言い換えながら述べていきます。
対比
説明文・論説文の読み取りで重要なのは、テーマと主張です。述べたいことが大きく一つあり、それを、繰り返し言い換えながら述べていきます。そのような主張を、何かと対比させながら述べていっています。
小説
小説の読み取りで重要なのは、登場人物の心情および、心情の変化です。これを、問題文中に述べられていることを根拠に確認していきます。
客観 論理
どのタイプの文章読解の問題でも大切なのは、客観的に読み、解いていくことです。本文中に書かれていることを根拠として、論理的に考え、何を聞かれ、何を答えるべきかを確認し、答えを導いていきます。
ざっくり言うとこのようになりますが、どの教材も、このような内容をいかに身につけていくか、様々な角度から説明しており、順を追って練習できるように工夫がなされています。
読解・補足
今回紹介していった参考書・問題集は、いずれも、自学自習ができるように工夫がなされていますが、自力ですべて進めるのは難しい場合もあるかもしれません。その場合には、塾などで解説・ペース管理などをしてもらいながら進めていくと良いでしょう。
語彙力を上げる
読み方・解き方の学習を進めていても、知っている言葉(語彙力)が不足していると、そもそも正しく読むことができません。
それぞれの段階に合わせた漢字練習と、語彙力アップが必要です。
語彙力を上げるための問題集・参考書としては、例えば以下のようなものがあります。
(小学生向け・中学受験)
・小学生の語彙力アップ実践練習ドリル1100
・中学入試 分野別集中レッスン国語 語彙力
(中学生向け・高校受験)
・中学生の語彙力アップ徹底学習ドリル1100
(高校生向け・大学受験)
・高校の漢字・語彙が1冊でしっかり身につく問題集
・基礎からのジャンプアップノート現代文重要キーワード書き込みドリル
・現代文キーワード読解
などがあります。
指導していて、ある程度話の流れはわかっているようで、語彙力が不足しているために読み違えてしまうという様子が多くみられます。その場合には、集中的に語彙力も強化していく必要があります。
TEL:043-463-3003