「独学大全」は中学生・高校生も使えるのか? どのあたりを取り入れやすいか?

少し前に話題になった「独学大全」という本。

分厚い

800ページある分厚い黒い本で、「もはや鈍器」とも言われるインパクトのある本です。

書店で偶然見かけた方も、そのインパクトに驚いた方もいらっしゃるかもしれません。

近年、実店舗での紙の本の売り上げが下がっているため、逆にページ数を増やし、インパクトと網羅性のあるものを出そうとする傾向があるようです。

そのような流れもありつつ出された「独学大全」。

必要な部分を拾う

いわゆる「勉強法」の本ではありますが、「勉強法」を知りたい人は、そもそも800ページ近い分厚い本を読めないという声もありますが、そういうものではないと、この点については反論・使い方が、著者の「読書猿」からも出ています。

最初から全部読むものではなく、自分に必要なところを目次や索引から探してパラパラ見て、ピックアップして見てみることを想定したものになっています。

いわゆる、ハウツー・何かの方法について書かれた本は、そもそも、そのように必要なところを拾って読むものです。とにかく必要なことをしっかり書くために、逆に中途半端なページ数で抽象的になってしまうくらいなら、いろいろ掘り下げていこうとした結果、この厚さになった・・・という印象です。

対象者は?
中学生・高校生はどう使う?

さて、それではこの本、対象年齢、対象者はどのような人を想定しているのでしょうか。

印象としては、独学をしっかりとしたい大人向けの印象ですが、実際に小学生でも使っている人もいるようです。

学生でも幅広く使えそうなポイントとしては、例えば、「目標設定」に関する部分での、「知識の棚卸し」の部分。

知識の棚卸し

自分が現在できることを書き出して、それをレベル別に並べ、「可能の階梯(階段・ステップ)」を作り、踊り場(できるかできないか怪しいライン)の2~3段下から始めてみる。

パラシュート学習法として、先にゴールに相当する部分を見て、そこから逆算して学びを進める。

このような部分は、取り入れることができそうです。

可能の階梯・できることから

自分が現在できることを書き出します。それをレベル別に並べ、「可能の階梯(階段・ステップ)」を作り、踊り場(できるかできないか怪しいライン)の2~3段下から始めることから始めていきます。

簡単なこと、それほど努力せずにできることからスタートすることで、最初のとりかかりが楽になります。そのうちに、ステップが進み、よりハイレベルなことが、楽にできるようになっていくイメージです。

楽して勉強?

「勉強」という文字の感じからして、そもそも、「苦労しなければならない」かのようなイメージがありますが、全くそんなことはありません。

この、知識を棚卸しして、できるものから、というのは、ある意味で、「楽して勉強したい人にオススメの勉強法」とも言えます。まずは簡単なことからスタートし、慣れてきたら徐々にレベルを上げていけば良いのです。その方が、効率よく学習が進みます。

覚える 理解する

あるいは、「覚える」「理解する」という部分での「PQRST法」。

P Preview 予習 覚えたい文章・理解したい文章にざっと目を通す。
Q Question 質問を考える
R Read 読む
S Self-Recitation 自分で暗唱する 重要な個所を覚えようとする
T Test  「Q」で作った質問だけを見ながら質問に答えてみる 

このあたりも応用可能です。

なかなか学生の勉強にそのままフィットさせるのは、場合によっては難しいかもしれませんが、考え方としては念頭に置いておくと良いかもしれません。上手く自分のものにできれば、大幅に学習効率が上がります。

勉強法というのは、勉強が苦手な人はもちろん、ある程度得意なつもりであっても、結構迷います。それなりに長期間迷いっぱなしということも多々あります。

勉強法の本は数多く出ていますが、それらの本の場合、どうしてもページ数の関係などもあり、その著者の個人的な経験に偏ってしまいがちな部分があります。そこが読みやすさにつながってはいるものの、実は取り入れにくかったりという部分もあったりします。

その点「独学大全」は、この分厚さで、偏りが出にくくしており、一見とっつきにくそうに見えて、「こういう時はどうすれば?」と具体的な問いを設定して探していくと、その答え・あるいはヒントが、実は見つけやすくなっている、という部分があります。

いろいろな使い方が出来そうな本です。

全員におススメ、というところまではいきませんが、何か興味を惹かれるぞという人は、手元に置いておくのもアリです。上手く使えれば、学習の質を、グッと引き上げることができます。(ただし、800ページ弱あるので収納が少し大変です。電子書籍版・オーディオブック版もあるので、その辺も合わせて検討してみるのもアリです。)

階段の2~3段手前

なお、知識の棚卸し・可能の階梯などで出てくる、「できるかできないか怪しいラインの2~3段手前からスタートする」というのは、当教室での指導でも、頻繫に意識している部分で、おそらく、多くの方が、意識的に、あるいは無意識にやっていることであろうと思います。

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