今回は、何かをするためのスキルを細かいサブスキルに分ける話です。
「たいていのことは20時間で習得できる(原題・THE FIRST 20 HOURS (最初の20時間)」(ジョシュ・カウフマン著/土方奈美・訳)を、参考にしています。

サブスキルに分解
この本の中に、
「スキルをサブスキルに分解する」
という章があります。
内容は以下の通りです。
~引用ここから~
たいていのスキルは、小さなサブスキルが束になったものだ。集中して取り組むスキルを決めたら、次のステップはそれをできるだけ小さなパーツに分解することだ。(中略)
スキルを分解することで、とても無理だという気分になるのも避けられる。スキルを全体的に練習する必要はない。それより最も劇的な効果が期待できるサブスキルに集中する方が、ずっと効果的だ。
練習を始める前にまずスキルを分解すれば、初心者には重要でない部分を特定することもできる。プロセスの初期段階で重要では無いサブスキルを取り除けば、最初に重要なサブスキルをマスターすることに時間とエネルギーを集中できる。
~引用ここまで~
というような内容です。
なお、この引用で省略したところには、ゴルフの例が出ていますが、より身近なものを、それぞれの解釈でサブスキルに分解してみると、いろいろなものが見えてきます。
マリオをサブスキルに分解
例えば、定番のゲーム「スーパーマリオ」を例に、サブスキルに分解してみます。
ゲームを入手する。コントローラーを持つ。それぞれのキー操作方法を覚える。十字キーを左右に動かすと左右にマリオが動く。ボタンを押すとマリオがジャンプする。別のボタンを押しながら十字キーを動かすとマリオがダッシュする。十字キーを離すとマリオが止まる。ダッシュ中に十字キーを離すと、遅めのタイミングで止まる。操作のタイミングを覚える。それぞれの敵(クリボー・ノコノコなど)の特性・倒し方・よけ方を理解する。それぞれのブロックの特性を理解する。各ステージのマップ・どこに何があるかを把握する。などなど・・・
分けてみると、さまざまなサブスキルがあることがわかります。スーパーマリオってどんなだっけという場合には、「スーパーマリオ 実況」「スーパーマリオ1-1 実況」「マリオメーカー 実況」などで検索してみると、なんとなくイメージがつかめるかと思います。
サブスキルに分けて、重要なものに絞って練習するということですので、とにかくマリオ初めてという場合は、マリオの操作方法に絞って、マップの最初の方でうろうろして操作を確認することに集中するのが良いという場合もあります。一通りの操作をマスターしている場合は、マップのどこに何があるかを把握することに集中するということでも良いでしょう。難しいポイントがある場合には、どのタイミングで何をすると攻略できるのか確認しつつ練習することに集中するということもあります。ちなみに「マリオメーカー 実況」で検索してみると、実況者が、初見のコースをどのように攻略しようか試行錯誤しているのを見ることができます(見すぎに注意)。
それぞれ、自分になじみのあるものを、サブスキルに分解してみると、イメージがつかみやすくなるかと思います。
英語リスニングを分解
他には、お勉強関連でいくと、英語のリスニング(聞き取り)の問題を解くことをサブスキルに分解してみます。
・英単語の知識・英語のフレーズの知識。
・単語・フレーズの発音の知識。
・聞こえてくるフレーズを聞き取る。
・単語を聞き取る。
・状況を把握するのに重要なものを聞き取る。
・状況をイメージする。
・設問を聞き取る。
・設問を読み取る。
・設問に答える。・・・などなど
というような形になります。
このように分けたうえで、何が足りなくて解けないのかをチェックしていくと、何を練習すべきかが見えてきます。
・単語を知らない
・フレーズを知らない
・単語は知っているが聞き取れない
・フレーズは知っているが聞き取れない
・単語・フレーズのリンキング(音のつながり)の知識がない
・単語・フレーズをゆっくり言われれば聞き取れるがなじみがない
・会話・スピーチの状況がつかめない
などなど
何が原因で聞き取れないのかを特定して、そこのスキルを上げるための練習をしていきます。
結果として「繰り返し聞く」という同じ練習に落ち着いたとしても、何を意識して「繰り返し聞く」のかで、練習の効率・成果が変わってきます。
自分で意識してみることが大切です。
得意・不得意も細かく
サブスキルに分解というのを、いろいろやってみると、自分の得意不得意も、よりくっきりと見えてきます。
漠然と、「暗記が苦手」「コミュニケーションが苦手」ということではなく、サブスキルに分解したときに、何が苦手で何が得意なのかが分かると、代用できたり、伸ばすことが可能な部分が見えてきます。
くっきり見えたうえで、このスキルは要らない、スキルは要るから優先的に鍛える、あるいは、苦手と思っていたけれど、すでに持っているこのスキルとこのスキルからアプローチしていけば代用できる・・・ということが見えてきます。
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