数学を勉強していると、「応用問題が解けない」「難しい問題になると手が止まる」ということはありませんか? もしかすると、それは応用力が足りないのではなく、意外にも 基礎基本の理解や習熟度が十分でない ことが原因かもしれません。
数学においては、思っている以上に基礎基本が重要 です。そして、それが意外な形で問題の解きやすさや理解度に影響を与えています。
ここでは、「なぜ数学の基礎基本が重要なのか」「どういう場面でその大切さが実感できるのか」について、具体的な例を挙げながら、できるだけわかりやすく説明していきます。
- 基礎基本がしっかりしていないと、応用問題が解けない理由
数学の問題には、簡単な計算問題から複雑な応用問題までさまざまな種類があります。
しかし、どんなに難しく見える問題でも、実は 「基礎基本の組み合わせ」でできている ことがほとんどです。
例えば、次のような場面を考えてみましょう。
例 ① 方程式の文章題が解けない理由
中学数学では、文章題を方程式にして解く問題があります。
「どうやって式を作ればいいのか分からない…」と悩むことがあるかもしれません。
このような場合、単に「応用問題が難しい」と思うかもしれませんが、実は次のような 基礎基本の理解不足 が関係していることが多いです。
基礎不足①:等式の概念があいまい
→ 「=(イコール)」の意味を正しく理解していないと、方程式の立て方が分からなくなる。
基礎不足②:文字式の扱いに慣れていない
→ 例えば、「x の倍数」や「x を使った数量の表し方」が身についていないと、問題文を数式にできない。
基礎不足③:四則演算の処理に時間がかかる
→ 基本的な計算が遅いと、解くことに意識が向かず、途中で混乱する。
つまり、「応用問題が解けない」と思っていても、実は 方程式の基礎的な部分の理解や計算力が足りないことが原因 であることが多いのです。
例 ② 図形の証明問題が苦手な理由
数学で出てくる「三角形の合同や相似の証明問題」は、多くの人がつまずく単元の一つです。
しかし、証明が苦手な人の多くは 「証明が難しいから解けない」のではなく、「基礎的な図形の性質をうまく使えていない」 ことが原因になっています。
例えば、次のような基礎的な知識が抜けていると、証明をスムーズに進めることができません。
基礎不足①:「合同条件・相似条件」を覚えていない、またはすぐに思い出せない
基礎不足②:「平行線の錯角・同位角」「三角形の内角の和は180度」など、基本的な図形の性質が身についていない、もしくは使いこなせていない
基礎不足③:文章の書き方が分からない(式や理由を整理して書く練習が足りていない)
「証明問題が難しい」と感じても、その背景には 図形の基本的な性質の理解が足りていないことが多い のです。
- 基礎基本をしっかり身につけると、数学が得意になる
数学が得意な人は、特別な才能があるとは限りません。
(特別な才能がある人もいます)
むしろ、基礎基本をしっかり身につけ、それをスムーズに使える状態になっているだけである場合が多くあります。
数学が得意な人の特徴
数学が得意な人は、次のような力を持っています。
基本的な計算が速くて正確
→ 計算ミスが少なく、途中で混乱しない。
公式や定理をすぐに思い出せる
基礎的な解き方をたくさん練習している
→ 文章題や図形の問題を、基本レベルの問題でしっかりと理解してから応用に進んでいる。
数学の基礎がしっかりしていると、応用問題に出てくる 「この解き方、どこかでやったことがある!」 という経験が増えます。
それによって、難しい問題でもスムーズに解けるようになります。
- 基礎基本をしっかり身につけるための学習法
では、どうすれば基礎基本をしっかり身につけることができるのでしょうか?
具体的な学習方法を紹介します。
① 計算練習を丁寧にする
計算ミスを減らし、スピードを上げるためには、基本的な計算練習が重要です。
計算が速くなると、問題を解く際に余計なところで手が止まらず、考えることに集中できます。
② 公式や定理をただ暗記するのではなく、理解する
公式を覚えるだけでは、応用問題に対応できません。
例えば、「なぜこの公式が成り立つのか?」 を考えながら学ぶことで、公式の意味が理解しやすくなります。
「三角形の面積=底辺×高さ÷2」は、長方形を半分にしたものと考えられる。
「平方根の計算」は、数直線上で考えるとイメージしやすい。
こうした理解が深まると、忘れにくくなるだけでなく、応用問題でも使いやすくなります。
③ 簡単な問題を何度も解いて、確実にできるようにする
「難しい問題ばかり解く」のではなく、「簡単な問題をスラスラ解けるようにする」ことが大切です。
今回は、数学の学習において、基礎基本は思っている以上に大切である ということを説明しました。
「応用問題が難しい」と感じるときは、意外と基礎基本の理解が十分でないことが多いです。
しっかりと基礎を固めて、数学を得意にしていきましょう!
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