「とってもやさしい数学」の使いどころ・注意点・使い方・同種の本いろいろ

数学入門の本

今回は、
人気の参考書
「とってもやさしい数学(旺文社)」シリーズの話です。
使い方・特徴・注意点・使い所などについてお伝えします。

誰でも「自学自習」が可能か?

数学に限らず、現在、
旺文社「とってもやさしい」シリーズと、
学研「ひとつひとつわかりやすく」シリーズなど、
「わかりやすい」参考書が多く出されています。

確かにわかりやすいのですが、
では、誰でも自学自習が可能なのでしょうか?

今回は、そのあたりの注意点も、書いていきたいと思います。

反復練習・サポート

ポイントとしては、以下のことが言えます。

・ある程度の学力があれば自学自習可能
・最初から「全て理解」は難しい。繰り返し進めて反復。
・ペース管理・内容理解のサポートがあればなお良い。
・他の参考書・ワークで練習量を補う。

「とってもやさしい数学」シリーズの概要

とってもやさしい数学シリーズ
・中1・中2・中3・高校数学IA/II B が刊行されています。

・全てB5サイズ(日本の多くの学生が使うノートと同じサイズ)。
・全て200ページほど(比較的薄め)。
となっており、使いやすい仕様です。


「とってもやさしい数学」の特徴

・「要点・確認」が大きな図解・イラストで見やすい。
・要点の後に簡単な練習問題。

この特徴は、旺文社の「とってもやさしい」シリーズ、学研の「ひとつひとつわかりやすく」などの「わかりやすい」参考書に共通する特徴でもあります。

「確認」が穴うめ形式

要点の確認が穴埋め形式になっています。
要点が書いてあるだけだと頭に入りにくいですが、
穴埋めになっていると、読み飛ばさずに、書いて確認しながら、
要点を確認することができます。

なお、穴うめの場合、初見だと、答えがわかりにくい部分があります。
「ん?ここに何が入るんだ?」
と止まってしまうこともあるかと思いますが、
この穴埋めは、さっと答えを見て、サクサク先に進めるようにすると、
効率よく進みます。
2回目・3回目で、理解度確認・定期テスト対策などで自力でできればそれで大丈夫です。

むしろ、問題さえ解ければOKなので、「読み飛ばし防止」ぐらいに軽くかんがえておけばOKです。

大きめのレイアウト

それぞれのページの文字が大きめで、
見やすいレイアウトになっています。

各ページごとの負荷が軽いので、達成感が得やすくなっています。

隣のページに答えが小さく書かれているため、
答え合わせ・反復練習がしやすくなっています。

理解を深めるコラム

理解を深めるためのコラムがついています。
問題練習で頭が疲れた時などに、このコラムを読むことで、
より理解が深められるようになっています。

計算のコツ、より理解を深める説明がしっかり書かれているので、
先のステップへ進む際の手助けにもなっています。

特徴まとめ
・「要点・確認」が大きな図解・イラストで見やすい。
・穴埋め問題で読み飛ばさずにじっくりできる。
・要点の後に簡単な練習問題。
・「コラム」で理解が深まる。


「とってもやさしい数学」
を進める上での注意点

・1回目は答えを見ながらサクサクと
・2回・3回と反復練習
・練習量は別のもので補う

解答はサクッと見ても良い

「解答をすぐに見てしまうと身につかない」
「とにかく答えは見ちゃダメ」
という、
「とにかく答え見るな!」
と考える人は多いですが、そうとは限りません。

2回目・3回目で自力でできればそれで良いのです。

どのような方法でも、自力でできるようになってさえいればOK!

特に初めて学習するものを、自力でというのは無理があります。
穴埋め問題も、ちょっと思いつかないものもあります。
そんな時は、答えを見て先に進めて、あとでもう一度解き直せば大丈夫です。

本当に身についているか不安な場合は自力で解き直したり、
別の参考書・ワークで類題を解けばOK!

2回・3回と反復練習

特に初めて学習する内容の時は、2回・3回と反復練習をするのは必須です。
最初のうちは、なんだかよくわからなかったものが、
反復練習していくうちにしっかりと解けるようになっていきます。
どうしても自力で解けないものに印をつけて、その問題のみを繰り返し解いていきます。

なお、「書き込み式」となっていますが、
特に初めて学習する内容の場合は、コピーをとるか、
ノートに書いて学習して、2回・3回と繰り返せるようにするのがおすすめです。

すでに前に学習済みで、軽く復習するために使う場合は、
本にそのまま書き込んでもOKです。

練習量は別に補う

収録されている問題量自体は少ないため、慣れていない単元は、
この参考書とは別の問題集で、練習量を別に補う必要があります。

基本的には、
「とってもやさしい数学」→「学校で配られるワーク」
と進めるのが良いでしょう。

なお、中学生は、Keyワークなどのいわゆる塾用テキストで、
「導入→十分な練習量」とカバーできるので、それが使えるならば、
そちらも良いです。

塾用テキスト1冊で完結できますが、
「どうしてもイメージがわかない」
「どうしても機械的に計算するだけになる」
という場合には、改めて
「とってもやさしい数学」シリーズなどで補うと、
理解が深まり、応用につながります。

注意点まとめ
・1回目は答えを見ながらサクサクと
(詰まるくらいなら、すぐに答えを見てもOK!)
・2回・3回と反復練習
(まずは1つの小単元を1回すすめて、2回・3回くりかえす)
・練習量は別のもので補う
(量は不足するので、練習すべし)


自学自習は可能か?

さて、この記事の冒頭でも書きましたが、
このような「わかりやすい」参考書は、本当に、
自学自習が可能なのでしょうか?

学力が高い生徒の予習

まず、
「学力が高い生徒の予習」
には最適です。

実際、
「学校が始まる前の春休みに、
このシリーズを1冊予習に終えてしまった。」
というケースも、優秀な生徒であればありえます。

「学力が高い」といっても、
全く何もしなければ点数は取れません。

いきなり難しい参考書で新しい概念を理解するのも、
結構難しかったりします。

そこで、学習の早い段階で、この参考書を挟んで、
基本を固めてしまって、授業の進みと同時に、応用問題に余裕を持って取り組む。
そのようなペース配分が可能になります。

すでに学習した内容の復習

すでに学習したものを復習するのにも最適です。
ある程度できるけれど、なんとなく伸び悩んでいるという場合に、
一気に進めることで、内容を整理できます。

ただし、途中で止まってしまっては効率が悪い!
理解があまりできていない場合は、とにかく解答を見てもいいので、
一旦、1つの単元を先に進めてしまって、2回・3回と繰り返すと、
効率よく学習できます。

標準レベルの生徒の予習

予習で使う場合は、無理のない範囲で。
「なんとなくイメージがつかめれば良い」
くらいで考えておきましょう。

軽くでもイメージを掴んでおけば、そのあとの学習がしやすくなります。
授業も理解しやすく、問題も進めやすくなります。

ゆっくり、じっくり

なお、「とってもやさしい数学」にも実際に、
「ゆっくり、じっくり、1単元ずつかみしめるように読んで、
書き写して・・・」
と書かれています。

「やさしい」からといって、
だれでもすぐに理解できるというわけではありません。

ゆっくり、じっくり、書き写して、
自分の頭をしっかり使う必要があります。

単元により、状況により、完全な自学自習ではなく、
なんらかのサポートが必要な場合もあります。

自学自習は可能?
・学力高い→予習にもOK
・復習に使用→うまくハイペースで繰り返し使う
・予習に使用→無理のない範囲で
・単元・状況により完全な自学自習は厳しい


「勉強が苦手」な場合の注意点

「とにかく苦手!」
という場合には、サポートしながら進める場合にも、
いろいろ注意すべき点があります。

できる学年・単元から進める

自分ができる学年・単元から進める必要があります。
自分の今の学年から進めようとすると、無理が出てくる場合があります。

「今中2だから中2のものだけで」
とやろうとするのは大変です。

しっかり前の学年から復習する方がかえって効率がいい場合が多いです。

ただし、図形の問題は、中2から復習でも大丈夫な場合も多いです。
そのかわり、ひとつひとつの学習・理解を丁寧に進める必要があります。

例えば、対頂角・同位角・錯角・三角形の性質・合同条件を丁寧に学習した上で、
証明問題の学習に移ります。

「証明が苦手」だからといって、いきなり証明の練習をするのではなく、
その前の単元から丁寧に学習を進めます。

本当の苦手は一つ前

「証明問題が苦手」という場合に、
単純に証明問題だけが苦手とは限りません。

その前に、
「どんな時に角度が等しくなるのか?」
「どんな時に平行になるのか?」
「どんな時に三角形が合同になるのか?」
ということをしっかり理解し、身につけ、瞬時に見分けられる状態にする必要があります。

図形の証明問題に限らず、本当のつまずきは一つ前にある場合が多いです。
そのことを頭に置いて、学習を進めましょう。

小学校の復習は・・・

基本的には、中1からの復習で大丈夫なはずです。
中1の内容で、小学校の算数を、中学校の数学として説明している内容が、
ほぼ含まれているため、そこでまとめて復習すれば、基本的には問題ありません。

ただ、どうしてもひっかかるポイントは、小学校6年間の内容をまとめた参考書なので、ピンポイントで補うといい場合があります。

くりかえし・くりかえし

とにかく、粘り強く、基本を繰り返す必要があります。
繰り返すことで、確実に理解度は上がっていきます。
もしかすると、一見簡単そうな内容でも、3回、4回と、
同じところでつまづくこともあるでしょう。
それでも、とにかく、じっくり、繰り返していきます。
そうすると、定着度が上がり、開ける瞬間があります。

ただ、本当につまづいているところが前の単元ということがあるので、
単元を変えて、学習する必要がある場合もあります。


「とってもやさしい数学」
をどう使うか?

要点・イメージを掴むのに便利な参考書です。
状況に合わせて使っていきましょう。

今まで述べてきた部分と重なる部分もありますが、
改めて述べていきます。

学力が高い生徒の予習

まず、
「学力が高い生徒の予習」
には最適です。

実際、
「学校が始まる前の春休みに、
このシリーズを1冊予習に終えてしまった。」
というケースも、優秀な生徒であればありえます。

「春休みに一気に」
は難しくても、
うまく時間を見つけて予習をすることで、
その後の理解を深め、応用問題の練習に早めにつなげることができます。

「学力が高い」といっても、
全く何もしなければ点数は取れません。

いきなり難しい参考書で新しい概念を理解するのも、
結構難しかったりします。

うっかり勉強をサボってしまうと、一気に置いていかれてしまうかもしれません。

その前に、少しでも「とってもやさしい」で補っておくと楽に進められます。

もし一気に置いていかれていったとしても、
もともとできた人であれば、逆にこのような参考書で追いつける可能性もあります。(大変ではありますが。)

なお、成績がいい人は概して、
「とってもやさしい」系の参考書は、
「自分には簡単すぎる」
となぜか手を出さなかったりする場合がありますが、
むしろ、そういう人こそ使うと楽になります。

この参考書で導入を楽にすると、時間を短縮できます。

すでに学習した内容の復習

すでに学習したものを復習するのにも最適です。
ある程度できるけれど、なんとなく伸び悩んでいるという場合に、
一気に進めることで、内容を整理できます。

ただし、途中で止まってしまっては効率が悪い!
理解があまりできていない場合は、とにかく解答を見てもいいので、
一旦、1つの単元を先に進めてしまって、2回・3回と繰り返すと、
効率よく学習できます。

解答を確認しながら1回。
そのあと2回、3回と繰り返して、
理解力と計算力を高めていきます。

「全部一気に」というよりも、
「理解しにくいものをピンポイントで」
という使い方ももちろんアリです。

標準レベルの生徒の予習

予習で使う場合は、無理のない範囲で。
「なんとなくイメージがつかめれば良い」
くらいで考えておきましょう。

軽くでもイメージを掴んでおけば、そのあとの学習がしやすくなります。
授業も理解しやすく、問題も進めやすくなります。

先取りで学習する場合は、誰かに内容を聞きながら、
どれを優先すべきかを相談しながら進めていきましょう。

「とってもやさしい数学」をどう使うか?
まとめ

・学力が高い生徒→予習に使い、最初の理解を効率化
・既習事項の復習
→一気に進めて復習
→ピンポイントで復習
*先へ先へ繰り返して理解度をあげる。
・未習事項の予習
*できる範囲で
*必要に応じて質問・相談

上記の内容に加えて、問題練習を別にしっかり行うのも大切です。
学校のワーク・塾用テキスト・その他の問題集で、量をこなす必要もあります。

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