「英文読解演習ドリル」の使い方・大学入試の超入門期の英文読解の本を色々と

今回は、大学入試の英文読解・英文解釈入門期の参考書についての話です。

「基礎からのステップアップノート・英文読解演習ドリル(旺文社)」を中心に見ていきます。

英文が複雑になる

英文読解・英文解釈は必要か?

高校生以上になると、出てくる英文が複雑になってきます。
そこで必要になるのが英文読解の知識。

とはいうものの、何からどう勉強すべきか。
どこまで、いつから対策が必要か。
どう勉強すると模試の点数に反映されるのか。

悩むところです。

先に結論をいうと、
中堅レベルの大学であれば、
「英文読解 演習ドリル」
「とってもやさしい英文読解」
あたりのレベルができていれば大丈夫です。

では具体的にどうすればいいのか?
どのタイミングでどう使うか、詳しく見ていきます。


特徴


「英文読解 演習ドリル(旺文社)」の特徴

・「基礎からのジャンプアップノート」シリーズ
・高1生でも使いやすい、取り組みやすい内容
・センター試験の英文を使用
・細かなステップの問題練習
・中堅私大レベルならここまででもOK!

旺文社「基礎からのジャンプアップノート」

旺文社の「基礎からのジャンプアップノート」シリーズの一つです。
もともと河合出版(河合塾)の「ステップアップノート」と似た雰囲気で、
国語のみのシリーズだったようですが、
2018年ごろから様々な科目が新登場してきました。

使いやすさには多少のばらつきはありますが、
基本的には、大学入試の入門レベルの時に使いやすい参考書のシリーズです。

「現代文重要キーワード」「古文文法」なども、
とても取り組みやすく、入門時期に最適です。

「英文読解 演習ドリル」も、
もちろん非常に使いやすい内容になっています。

高1生・入門時期からOK!

高1生・受験勉強の初期にも取り組みやすい内容です。
中学レベルの内容の知識があり、高校英文法の基本的な知識がある程度あれば、
ほぼ問題なく取り組むことができます。

多くの英文解釈の参考書よりも出てくる英文の内容が比較的易しめで、
短文から長文へ、細かく問題練習をしながらステップアップしていくことができます。

センター試験の英文を使用

1995年から2017年のセンター試験に出題された英文を使用しています。
大学受験レベルとしては、比較的易しめの例文で、英文読解を学ぶことができます。

なお、このような「入門レベル」の参考書では、
さらに易しい例文で英文読解・英文解釈を説明しているものがありますが、
そこまで易しくなると、あまり構造に目がいかない場合もあります。

この本の英文のレベルは、入門レベルで構文を学ぶのに最適といえます。

細かなステップの問題練習

要点のまとめ→短文の練習問題→50~100語程度の英文

というように、細かく問題練習をしていくことができます。
それぞれのステップも、さらに細かく分かれています。

短文の練習
1、主語の判別(記号選択)
2、穴埋め式の日本語訳
3、全文の日本語訳

長文問題
1、文構造の確認(記号選択)
2、英文内容の確認(記号選択)
3、単語の整理・問題練習
4、全文の日本語訳(穴埋め形式)

というように、少しずつじっくり問題を解いていくと、
しっかり内容を消化していくことができます。

中堅私大レベルならここまででもOK!

中堅レベルの私大であれば、この本のレベルの英文解釈で足ります。
学習時期にもよりますが、この本のあとは、
難しい英文解釈にすすむよりも、
長文読解の参考書、過去問に進んだほうが、伸びやすいです。

単語力が必要な場合は、しっかり単語力の増強も忘れずに。

注意点

「英文読解 演習ドリル」
を進める上での注意点

・使うタイミング
・単語も一緒に覚える
・当然繰り返して、自力でできるように

使うタイミング:
文法の基礎の基礎のあとで

この「英文読解 演習ドリル」を使い始めるタイミングは、
大学受験の勉強の初期です。

もちろん「初期」といってもレベルの問題なので、
受験勉強は長くやっているけど、「英文読解」が身についていない場合は、
しっかり活用する必要があります。

高校1年生から使用可能ですが、少なくとも、
中学レベルが身についていることが前提です。

意外と中学生レベルがあやしい人も多いので、
不安な人はこの参考書に取り組む前に、中学レベルの復習を行いましょう。

高校の英文法も、基本的なものは確認できていると取り組みやすいです。
「高校英文法をひとつひとつわかりやすく(学研)」
「とってもやさしい高校英文法(旺文社)」
などのうちいずれか1冊を終えてから取り組みましょう。
(完全に終わっていなくても、取り組むことは可能です。)

なお、この「英文読解演習ドリル」に入る段階で、
「パワーステージ」「ネクステージ」「スクランブル」「レベル別英文法3」
などで、本格的な文法問題の演習に入っている必要はありません。
あくまでも高校英文法の入門段階が終わっていれば大丈夫です。

「とにかく成績をあげたいけど、何を優先?」
という場合は、本格的な文法問題の演習より先に、
「英文読解 演習ドリル」あたりに取り組む方が、成績に直結しやすいです。

中学レベル→高校英文法の基本→英文読解演習ドリル

の流れでいきましょう。

単語も一緒に覚える

高1生の段階で、あるいは、単語力がそこまで無い段階で取り組むと、
覚えていない単語が多く出てくるかもしれません。

では、単語力が足りない場合は、
単語集を先にやったほうがいいのか。

必ずしもそうとは限りません。

むしろ、この問題集で、単語・熟語も一緒に身につけていくことができます。

2回・3回と繰り返し、英文と一緒に単語も覚えていきましょう。

ただ、あまりにも読めない単語、知らない単語が多い場合は、
単語力を何らかの形で上げるか、別のサポートが必要です。

2回・3回繰り返す

このテキストに限りませんが、しっかりと、
自力で問題が解けるまで、2回・3回繰り返しましょう。

「書き込みドリル形式」
となっていますが、書き込まずに、
ノートに書いて問題演習をするか、コピーをとって取り組みましょう。
(もちろん、十分に自信があれば書き込んでもOK)

繰り返すことにより、英文を読むスピードも自然と上がり、
英文読解をする上でのある種の勘も身についていきます。

いちいち「解釈」を意識しなくても、自然に英文解釈ができるようになっていきます。


英文読解は必要か?

中学生の段階では不要

中学レベルまでは、「英文読解」「英文解釈」に特化した練習は不要です。
そこまで複雑な英文は登場しないため、出てきた文を丸ごと覚えるようにすれば足ります。

むしろ、中学レベルまでの基本文は、
丸ごと頭に入れて、英作文でも使える状態にしておく必要があります。

目安はこの「演習ドリル」

高校レベル・大学入試レベルでは、
「英文読解」「英文解釈」に特化した練習が必要です。

では、何を、どこまで行うべきか。

中堅私大レベルであれば、
この「演習ドリル」または「とってもやさしい英文読解」などのレベルが完璧になっていれば大丈夫です。

ただ、この、完璧の度合いが難しい。
ゆっくり解釈ができるレベルでは足りません。

繰り返し練習して、音読なども行って、
パッと見て、英文の意味が取れる状態にする必要があります。

そこまでできてしまえば、あとは、長文・過去問に進みましょう。


どのタイミングで成績が上がるのか?

「参考書が良いのはわかる。
でも、この英文読解演習ドリルをやれば成績がすぐに上がるのか?」

率直に言って、一番気になるところだと思います。

長文が読めればよい

早い話、長文問題の正解率が上がれば、成績にあらわれます。

単語・熟語・英文解釈ができた上で、
長文が読めて、問題が解ければ良いのです。

「そんなのは当然だ!それが大変なんだ!」
という話ではありますが、
そこは意識しておく必要があります。

つまり、
「単語を覚えること」
「英文読解・解釈ができること」
が最終目標ではないということです。

最も早く長文が読めるためにはどうするか。
何をどう進めるか。
そこが重要です。

なお、
「英文読解演習ドリル(旺文社)」
の場合は、
「チカラだめし問題」の中で、
「英文内容の確認」という、
長文問題集のような問題も軽く混ざっています。

うまくいけば、
「英文読解演習ドリル」
が仕上がってきた段階で、成績に現れてくる場合も大いにあります。

単語力だけで上がる場合も

単語力があがるだけで、長文が読めるようになり、
そのまま成績に直結する場合もあります。

この「英文読解演習ドリル」
の場合でも、
「解釈はできているけれども、
単語がわからない、内容の問題は解ける。」
という状況の場合には、
単語力が上がると、成績が上がる可能性が大いにあります。

いろいろ比較

他の英文読解・英文解釈の本との比較

大学入試の英語の参考書は、
とにかく膨大な数が出ています。
英語の中の「英文読解」「英文解釈」に絞っても、
かなりの量の参考書があります。

他の参考書と比べて、
「英文読解演習ドリル」はどうなのか?

いくつか見てみます。

とってもやさしい英文読解

「英文読解演習ドリル」と、ほぼ同じレベルです。
英文読解・英文解釈の練習により特化した内容になっており、使いやすくなっています。

読解のための英文法が面白いほどわかる本(必修編)

おそらく、英文読解関連の参考書で、旧版から含めて、現在、最も売れている参考書かもしれません。
後半部分では、動詞を「動詞の形」別に整理してあるため、しっかり進めると、語彙力のアップも見込めます。

英文読解入門 基本はここだ!

「英文読解入門 基本はここだ!(代々木ライブラリー)」
代ゼミ→東進の人気講師・西きょうじ先生の定番の参考書です。

やはり入門時期に最適な参考書で、説明が丁寧です。
丁寧ではありますが、説明を読みこなすのが、意外と大変かもしれません。
読んでみて、面白いと感じたら、この本を進めましょう。

理論的な話を読むのが大変な場合は、避けたほうが良いかもしれません。

英語以外も全体的にバランスよく、ある程度学習が進んだ段階で読んでみるのもアリです。
新たな発見が必ずあります。

・「読むこと」に不慣れなら、やはり、「演習ドリル」の方で。
・学習が進んでから読み進めると発見がある。

高校英文読解をひとつひとつわかりやすく

「英文読解演習ドリル」と同様に、ドリル形式です。
レベルもほぼ同じレベルです。

比較してみて、やりやすそうなものに取り組んでみると良いでしょう。
「ひとつひとつわかりやすく」にはCDがついているため、
その点も魅力です。

分量は「ひとつひとつわかりやすく」の方が多いため、
とにかく速く終わらせたい場合には、「演習ドリル」の方を。

時間がある場合には、両方頑張ってみると、それだけ力がつきます。

そこまでの時間はあまり取れない場合は、どれか1冊を仕上げればよいでしょう。

入門英文解釈の技術70

「入門」とついていますが、あくまでも、
難関大学の英文解釈の「入門」と考えた方が良いでしょう。

「読解のための英文法が面白いほどわかる本」
「英文読解演習ドリル」
「高校英文読解をひとつひとつわかりやすく」
「とってもやさしい英文解釈」
「英文読解入門 基本はここだ!」
のいずれかが仕上がったレベルで、
上位の大学を狙う場合に使っていきましょう。

まとめ

「英文読解 演習ドリル」
の使い方まとめ

高校文法の入門レベルのあとで

中学レベルの英語を身につけた上で、
高校英文法の入門レベルを終えてから使うのが基本です。

例えば、
中学英語→高校英文法をひとつひとつわかりやすく→英文読解演習ドリル
の順番です。

知らない単語も合わせて覚える

あまりに単語力がない場合は取り組む前に単語力をあげる必要がありますが、
そうでない場合、知らない単語が、ぽつぽつ出てくるなあという場合には、
テキストの中で、単語も覚えていってしまいましょう。

単語を整理するページもあるため、
2回・3回と繰り返し、自力でできるまで、覚えきるまでやれば、
単語力の増強も期待できます。

できるまで繰り返す

このテキストに限りませんが、しっかりと、
2回・3回繰り返しましょう。
3回やっても自力でできない場合は、もっとたくさん、
しっかり身につくまで繰り返しましょう。

「書き込みドリル形式」
となっていますが、書き込まずに、
ノートに書いて問題演習をするか、コピーをとって取り組みましょう。
(もちろん、十分に自信があれば書き込んでもOK)

繰り返すことにより、英文を読むスピードも自然と上がり、
英文読解をする上でのある種の勘も身についていきます。

スムーズに読めるまで繰り返す

いちいち「解釈」を意識しなくても、
自然に英文解釈ができるようになっていきます。

というよりも、
「解釈」を意識しなくても、自然に英文解釈ができるようになるまで、
繰り返し復習しましょう。

仕上げたら長文の練習

この「英文読解演習ドリル」を仕上げたら、長文の練習に進みます。

長文の参考書でも、
「英文読解・英文解釈」の説明も出ているものも多くあります。
そのようなものを利用すると、スムーズに学習が進みます。

例えば、
「短期で攻める 1日1題1週間 スピード英語長文レベル1(桐原書店)」
などは、英文解釈の説明・単語のまとめもついているため、
「演習ドリル」終了後に、スムーズにバランスよく英語力をつけることができます。

大きな流れ

高校英文法の基本→「英文読解演習ドリル」→長文の練習

という流れになります。

この流れの中で、単語・熟語も合わせて身につけていけば、
短期間で成績を上げることも可能です。

上位の大学を狙う場合は、加えて、
「入門英文解釈の技術70」などにも取り組む必要があります。

それぞれの目標に合わせて、頑張りましょう!

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